2023/02/18 18:00
お米の炊き方をご紹介するとき、「もっとしっかり研ぐ必要はないの?」とご質問いただくことがあります。
結論としては、「ゴシゴシ研ぐ必要はない」です。
今回は、なぜゴシゴシ研ぐ必要がなくなったのかをご紹介していきます。
舂米(しょうまい)というお米
江戸時代より前までは、白米を食べる文化がなく、舂米(しょうまい)というものを食べていました。お米の研ぎ方に対する不安を取り除くためには、この「舂米(しょうまい)」から白米が食べられるようになるまでを理解することが必要だと思います。
◆舂米(しょうまい)
① 米を臼(うす)でつくこと。また、ついて精白した米。つきよね。
② 奈良・平安時代、脱穀した米。もみがらを取り去った米。黒米(玄米)・白米(精白米)の区別がある。租は主に国郡に留めるが、京に送るものは脱穀して舂米とした。京では白米を大炊寮(おおいりょう)、黒米を民部省・内蔵寮(くらりょう)に納入した。
江戸時代より前は、籾殻をむくために、杵と臼で籾をついていたそうです。餅つきならぬ籾つき作業があったのですね!
杵と臼で籾をつくと、籾殻が取れるのと同時に玄米のぬかが部分的に剥がれるそうで、このぬかが部分的に剥がれた「舂米(しょうまい)」が一般的なお米だったそうです。
玄米の登場
玄米は、稲の籾殻を取り除いた部分で、現在は籾摺り機を使って籾殻をむきます。
江戸時代の初め頃には、現代の籾摺り機の原型と言える「泥臼(どろうす)」が使われるようになり、その頃から玄米という製品が登場します。
お米を炊くときに、舂米(しょうまい)に残っているぬかを削り取るために、昔の人はお米をゴシゴシ研いでいたのです。
この名残で、ゴシゴシとお米を研ぐやり方を親から習った方などは、現代の米屋が伝えるお米の炊き方を不安に感じる方もいらっしゃいます。
今のお米は、精米技術の向上により、白米にはぬかが残っていないので、昔のようにゴシゴシと洗う必要はなく、表面の汚れを落とす程度に洗米すれば十分なのです。
◆食べられてきたお米の種類
江戸時代以前 舂米(しょうまい)
江戸時代以降 玄米、白米
まとめ
日本お米ばなし vol.3 調理編「お米はゴシゴシ研ぐ必要はないの?」
こたえ:表面の汚れを落とす程度に洗米すれば十分!
おわりに
お米の精米技術がどんな風に変わってきたのかを知ることで、現代のお米をゴシゴシ研ぐ必要がない理由をご理解いただけたでしょうか?
次回は美味しいお米の炊き方をご紹介したいと思いますので、ぜひお試しください。