2023/03/15 18:00
お米は、種類によって、ごはん用・餅用・日本酒用などの用途があります。
そこで今回は、お米の呼び方に着目してご紹介したいと思います。
「うるち米」と「もち米」
普段、ご家庭で炊いて食べるのが「うるち米」です。
一方「もち米」は、お餅やおこわ、お赤飯などに利用されます。
前回の日本お米ばなしでご紹介した、ジャポニカ米とインディカ米のどちらにも「うるち米」と「もち米」が存在します。
この2つの違いは、でんぷんの性質が異なるところです。
うるち米
・米粒に透明感がある
・アミロペクチンが約80%
・アミロースが約20%
もち米に比べて粘りが少なめです。
もち米
・米粒が白い
・ほとんどがアミロペクチン
アミロペクチンは、よく粘る性質を持っていて、冷めても固くなりにくい特徴があります。
ごはんの粘り具合を決めるアミロペクチンとアミロース
先ほど、うるち米はアミロペクチン80%、アミロース20%というお話をしました。近年、もち米とうるち米の中間の性質を持つ「低アミロース米」というものが存在します。
分類としては、アミロースを含むので「うるち米」の仲間です。
低アミロース米として有名なお米に「ミルキークィーン」があります。
ミルキークィーンのアミロース含量は9〜12%です。粘りの少ないでんぷん含量が一般的なうるち米よりも少ないため、粘りが強いがもちもちした食感のお米です。
この特徴から、「冷めても美味しい」「玄米でも食べやすい」など注目を集める品種となっています。
「うるち」とは?
うるち米は、漢字では「粳米」と書きます。
この「粳(うるち・うる)」は、稲やとうもろこし、きび・アワなどの穀物にみられるでんぷんの性質のことで、「糯(もち)」に比べて粘りが少ないものを指します。
日本国内のお米はほぼうるち米で、そのほとんどが水田でつくる水稲、ほんの一部だけ畑でつくる「陸稲(おかぼ)」があります。
普段お米を購入したとき、食品表示には、「精米」や「玄米」と書いてありますが、正式には「うるち精米」「うるち玄米」となり、「うるち」が省略されていることがあります。
うるち米の伝統料理
地域にもよりますが、「五平餅」や秋田県の「きりたんぽ」は、うるち米100%で作られる郷土料理なんです。どちらもお米を潰しすぎないのがポイントで、うるち米にも含まれるアミロペクチンの粘りを適度に引き出し、もち米よりは軽やかさがあります。
きりたんぽ
五平餅
日本お米ばなし vol.11 食文化編「たまに聞く、うるち米ってなに?」
こたえ:普段私たちがごはんとして食べているお米のこと。もち米とは異なるでんぷんの性質を持ったアミロースが含まれる。
おわりに
私たちが普段食べているお米は、ジャポニカ種のうるち米ということですね。お弁当をよく作るご家庭や玄米ご飯を始めたい方などは、低アミロース米を選んでみるのもおすすめです。