自然栽培米・有機栽培米専門店 Natural Farming

2023/06/08 17:08

今も受け継がれる年中行事や農耕儀礼は、稲作と密接に関わり合っています。今回は、田の神様や稲作と年中行事についてご紹介します。

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田の神様

日本では古来から、田んぼには「田の神様」がいて、田畑を耕す頃に山から里に下りてきて、稲(作物)の豊凶を見守っていると考えられてきました。
このような田の神様信仰は全国各地の農村に浸透しています。

「田の神様」を石に刻み、豊作を祈願する18世紀初めに始まった薩摩藩独特の文化である田の神石像は、現代でも鹿児島県や宮崎県などで見かけます。

宮崎県えびの市では、昭和61年から実り豊かな地域の文化財である「田の神さあ(タノカンサア)」(=田の神)をシンボルとする、「田の神さあの里づくり」運動に取り組んでいます。田の神様は、親しみを込めて「田の神さあ(タノカンサア)」と呼ばれているのだそう。

主な年中行事

<1月>
正月:鏡餅を飾り神様をお迎えする
どんど焼き:正月の飾りを燃やす
<5月>
花田植え:田の神を祀って無病息災と豊穣を願う農耕儀礼
<6月>
さなぶり:田植え終わりの祝いと田の神様を天(山)へ送る祭り
まんが洗い:田植え終わりの一休み、道具を洗う
<7月>
雨乞い:雨が降るように祈る
<8月>
虫送り:松明(たいまつ)で虫を焼き、豊作を祈る祭り
<9月>
風祭り:台風が来ないように祈る
八朔:初穂を恩人などに贈る風習
鎌立て:竹の竿の先に鎌をつけ庭の木に南向きに結びつけ台風が来ないよう、来ても被害が少ないようにと祈る
<10月>
新嘗祭:新米を神様に供え、感謝する
<12月>
しめ縄ない:しめ縄を張って神様を迎える

これらの年中行事は、地域によってさまざまなものがあり、伝統芸能として認定されているものなどもあります。
皆さんの地域ではどんな農耕儀礼が受け継がれているでしょうか?

まとめ・おわりに

日本お米ばなし vol.16 食文化編「田の神様と年中行事」
稲は古来から生きるための特別な作物として、日本人の生活の中心にあったことがわかります。
「虫送り」では、実際に害虫をおびきよせて駆除する効果もあったそうで、現在のような体系的な防除のない時代から「祈り」だけでない先人の知恵が生かされていたのですね。
お米文化と祭りや年中行事、形を変えながら受け継がれるものと古来の伝統として伝承するもの、とても大切なことに思えます。

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