2023/06/11 18:00
戦後の日本では、農地の区画整備や農作業の機械化が進み、米づくりに必要な時間が少なくなってきました。お米だけを生産する農家のほかに、その他の作物もつくる農家もあれば、兼業農家と呼ばれる農業以外の収入を持つ農家も存在します。
そこで今回は、米づくりに必要な時間数についてご紹介します。
機械の普及と労働時間の減少
主に田植え前の田んぼを耕すための機械として用いられる耕耘機(こううんき)が戦後に急速に普及し、その後稲刈りに用いるバインダーや田植え機、機械に乗って耕耘を行うトラクターが普及していきます。
1970年代に入ると、稲を刈り取って束ねるところまでできるバインダーから、刈り取りと脱穀まで同時にできて乗用で操縦可能なコンバインへと移り変わっていきます。
こうして機械が普及していくにつれて、労働時間がどんどん減少していっていることもわかります(下図)。
作業別の作業時間の変化
作業全般が効率化され、作業時間が減少したため、1970年頃は10aあたり年間118時間要していた作業時間が2002年には33時間まで減少しています。
もちろん、機械化だけでなく除草剤などのおかげもあります。
とくに、田植え・草取り・稲刈り・脱穀の時間が大幅に減少しています。
まとめ
牛などの動物の力からトラクターへ、手植えから田植え機へ、人力での除草から除草剤の散布へ、カマでの稲刈りからコンバインへ。
このように急速に効率化が進み、作業時間が大きく減少してきたことがわかりました。
おわりに
この超効率的な生産方法は慣行農法による体系的な農業生産の場合であるため、Natural Farmingのつくり手の皆さんはもう少し作業時間が多くなっています。また、棚田などの山間部にある小さな田んぼでも大きな機械が入れない場所も多く、そういった場合にはやはり旧来の小型機械を使ったり、手作業で行われています。
食糧の供給と選択の観点からも、どちらか一方の生産方法だけを良しとするのではなく、歩み寄りが必要だと思うのです。