2023/10/08 11:01
温室効果ガス見える化実証事業とは?
農林水産省が2022年9月から実施しており、温室効果ガスを削減して生産された農産物について、その削減率を星の数で表示(見える化)し、販売実証を行うものです。
農産物の生産から流通・消費までの各段階で温室効果ガスの排出量を算定し、その削減率を星の数で表示します。星の数は、0から3つまでで、3つが最も高い削減率となります。
温室効果ガス見える化実証事業の目的
・生産者の環境負荷低減の取組を消費者にわかりやすく伝える
・消費者が地球環境に良い農産物を選択できる環境を整える
温室効果ガスは、地球温暖化の原因となる物質です。農業は、温室効果ガスの排出量の約10%を占めると言われており、その削減は重要な課題となっています。
令和4年度に実証を行ったコメ、トマト、キュウリの3品目に加えて、令和5年度はナス、ほうれん草、白菜、白ネギ、タマネギ、キャベツ、レタス、大根、にんじん、アスパラガス、ミニトマトの野菜類や、リンゴ、みかん、ぶどう、日本なし、もも、いちごの果実類のほか、ばれいしょ、かんしょ、茶の20品目を追加し、対象を23品目に拡大しています。
温室効果ガス見える化実証事業は、消費者が地球環境に配慮した農産物を選択するきっかけとなり、農業における温室効果ガス削減の取組を促進することが期待されています。
具体的な実証内容
生産者:温室効果ガスの排出量を算定する方法を検討し、実際の栽培データに基づいて排出量を算定
小売事業者:見える化ラベルを表示した農産物を販売する
消費者:見える化ラベルを参考に、地球環境に配慮した農産物を選択する
米づくりとメタンガス
温室効果ガスとは、太陽からの熱を地球に閉じ込めて、地表を温める働きを持つ気体のことをいいます。 主に水蒸気、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロン類の5種類があります。
農林水産分野の温室効果ガス排出量は10%程度で、それほど高くないように感じるかもしれません。しかしながら、その10%の内訳をみると、メタンガスが43%程度あり、国内のメタンガス排出量の81%が農業から排出されています。しかも、そのうちの44%は稲作によるものとなっており、米作りも温室効果ガス削減に重要な産業となっています。
ちなみに、メタンガスの温室効果はCO2に比べて25倍とされています。
「お米の未来」をつくり手と消費者とともに考えていく
Natural Farmingの考えるナチュラル&オーガニックライフの根幹にあるのは、持続可能性のある世界を実現すること。自分だけでなく、周りの人たちを思いやる世の中が広がってきたからこそ、ひと・地球・未来を想う新しい食品選択の価値観、新しい当たり前が産まれていくのではないか。私たち日本人にとって大切な「お米」から、つくり手を応援しながら消費者とともに未来を考えていける取り組みをしていきたいです。