2023/11/19 15:22
現在の白米を中心として野菜や魚介類のおかずを充実させた「日本型食生活」は、実は戦後に確立されたと言われています。
日本の伝統的な食事は「糧飯(かてめし)」といって、麦類やアワ、ヒエなどの雑穀に大根や葉っぱ、様々な食材を混ぜ合わせた混ぜご飯が多かったそうです。
日本の食と時代区分
「食と農の戦後史」岸康彦著によると、下記のように区分されています。
飢餓脱出期(1945-1954年)
内食充実期(1955-1969年)
外食発展期(1970-1979年)
飽食・グルメ期(1980-1990年)
中食興隆期(1991-1999年)
食の見直し期(2000年〜)
戦後50年の食の変化
戦後の食料難の時代から脱すると、日本人の食生活がすっかり欧米化していったことは皆さんご存知かと思います。
そして、国民1人1日当たりの供給純食料のグラフを見ると、米の消費がずいぶん減っていることがわかります。代わりに、牛乳・乳製品、肉類の消費が増えています。
*供給純食料とは、最終消費された食料の当該品目の食料重量から通常の食習慣において廃棄される部分(魚の場合は骨や頭、果実の場合は皮や芯などのことです。) を差し引いた後の可食部分のことであり、人間の消費に直接利用可能な量のことです。
引用:https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1402/spe1_02.html
多様で便利な食の先に、偏食や現代型栄養失調、食物アレルギーを持つ人の増加など新たな問題も生まれ、私たちは食生活を見直す必要が出てきました。
こうして、2000年代に入り、食の見直し期がやってきました。世界的なパンデミックを経て、食に対する消費者の意識はさらに高くなってきたように思います。
食生活由来の不健康について考える
現代人は、健康である幸せを理解しながら、食べ過ぎや肥満などに起因する生活習慣病になってしまうなど、食生活が由来の不健康で苦しんでいる人も多くみられます。
これからは、自分のからだをつくる食べ物を自分で選ぶことができるようになると健康に一歩近づけるのではないでしょうか。
先人たちがこれまでに築きあげてきた素晴らしい食料システムは私たちの食生活を豊かにしてくれています。そこからもう一歩進んで、自然や環境に配慮されたものをもっと身近で選択できるしくみに参加することも始めていきたいのです。
環境に配慮したお米に変えること
これからは、もう少し食生活に気をつけていきたいと思っている方におすすめしたいのは、「お米の見直し」です。
現代人は「お米を食べなくなった」とはいえ、現代の食事の30%はお米と言われています。
添加物不使用の食材をあれこれ集めるよりも、主食であるお米を環境に配慮されたものに変えてみるというのは、取り組みやすい食の見直しだと思います。
どんな場所でどんな原料でどんな人が作った食べ物なのか、そういったことをお伝えしながら食べ物をお届けする選択肢もあって良いと思うのです。
おわりに
私たちが仕入れさせていただいているつくり手の方々は、このような食の変遷を理解し、未来にどんな食や地域や環境を残したいかという軸で栽培方法も選択してきました。
さらに、美味しさも追求しているエキスパート揃いです。
実際、このようなお米を見つけるには現地に足を運んで、田んぼをみて、つくり手のお話を伺い、心が通じ合う必要があるわけですが、もちろん専門知識も必要不可欠です。
このようなお米を見つけて、できる限りわかりやすくお伝えしながら消費者の方へお届けすることで、これからもつくり手の方々を応援していきたいと思っています。