令和の米騒動なんて言われていますが、今回は農業従事者の人口についてお話してみたいと思います。

さて、問題です。日本の人口に占める農業従事者の割合は何％でしょうか。

異業種の仲間と話していて、私がぽろっと「農家は人口の●％しかいないからね」と言ったら大変驚かれていました。

あとから、この数字は確か2016年頃のものだと考え直し、現在はもっと減っているはずなので情報をアップデートしなければと反省しました。

ということで、皆さんも一緒に計算してみませんか。

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日本の人口: 約1億2400万人

農業従事者の数: 136.3万人（令和2年）

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したがって、農業従事者は日本の人口の約1.1%となります。

農業従事者人口は、基幹的農業従事者数といって、ふだん仕事として主に自営農業に従事している者を数えた数で計算しています。

そして、令和3年以降の推定値をみると、もっと現実に近い数字が見えてきます。

単位：万人、歳

https://www.maff.go.jp/j/tokei/sihyo/data/08.html より引用

まだ推定値なので確実ではないものの、令和６年の農業従事者数が仮に111.4万人とすると、農業従事者は日本の人口の0.9%しかいません。

正確な米農家の人口がわからなかったので、概算で考えてみることにします。

2015年の農林業センサスデータによると、米農家（稲作農家）は約90万人程度と報告されていました。近年の農業従事者の減少傾向を考慮すると、現在の米農家の人口はおそらくこれよりも少なく、約70万〜80万人程度である可能性があります。

仮に米農家が80万人とすると、日本の人口の0.65%しかいません。

 1. 高齢化

農業従事者の多くが高齢者であり、若年層の農業参入が少ないため、世代交代が進んでいません。2020年のデータによると、農業従事者の平均年齢は約67歳です。農業人口の多くが高齢者であるため、引退や健康上の理由で農業を辞める人が増えています。

あわせて、後継者不足もあります。子供や若者が農業を継がず、都市部での就職を選ぶケースが増えており、家族経営の農業が維持されにくくなっています。

農産物の価格低迷や輸入品との競争激化により、農業の収益性が低下しているため、農業に魅力を感じにくくなっています。特に米の消費減少や価格低迷が米農家の収益に影響を与えています。

さらに、日本では農地の構造上、小規模農家が多いため、生産性の向上が難しく、利益を上げるのが困難な状況です。大規模農家に比べて競争力が低く、経営が厳しいと感じる農家が増えています。

都市部への人口集中が進んでおり、若者は都市部での就職や教育の機会を求めて農村地域を離れる傾向があります。これもまた農業を継ぐ人が減少している要因のひとつです。さらに、都市部はインフラが整備されており、生活の利便性が高い一方で、農村部は交通や医療、教育施設の充実度が低いことも若者の流出につながっています。

農業は肉体的な負担が大きく、長時間の労働が必要です。そして、農業が他の職業に比べて社会的評価が低く見られることがあり、職業として農業が選ばれにくい背景にもなっています。

農業の自動化や効率化はひと昔前よりもだいぶ進歩していますが、それでもまだ労働生産性の低さが問題となっています。また、導入するにしても先進的な農業技術の知識やスキルが不足していたり、莫大なコストが経営を圧迫するためそもそも導入ができないといった事情もあります。

農業を始めるための初期費用が高く、経営リスクも大きいため、新規参入者が増えにくいのが現状です。政策支援や補助金の拡充が必要とされていますが、十分でない場合が多いといえます。

農業人口の減少はどんどん加速しており、その勢いはますます早くなると考えられます。大規模で効率よくたくさんの食糧をつくる農家でも生産量には限度があります。

適正価格とは難しいものですが、まずは国産の農産物が人口の１％で作られていることを理解して、日本の食材を食べて買い支えることから始めたいと思っています。

当店は米屋なので、買い負けない仕入れとお客様にしっかり供給できるように引き続き頑張っていきます。

参考資料

農業センサス　農林水産省統計データ