自然栽培米・有機栽培米専門店 Natural Farming

2025/05/17 14:22

日本お米ばなし vol.59 ごはんの悩み100問100答編 11/100 「玄米の栄養を生かす方法がわからない」

玄米の栄養を生かすには?おいしく続けるための実践的な工夫

「健康のために玄米を食べてみたいけど、どう取り入れたらいいかわからない」「炊き方や食べ方に不安がある」といった声をよく耳にします。

玄米は栄養価が高い一方で、硬さや消化のしづらさがネックになりやすい食材です。今回は、玄米の栄養をムダなく、かつ無理なく摂取するための食べ方・炊き方のコツをご紹介します。

玄米は「まるごと栄養食」

玄米は、稲のもみ殻を取り除いただけの“未精白”の米で、白米とは異なりぬか層と胚芽が残っています。ここには栄養がぎっしり詰まっており、白米と比較して以下のような栄養素が多く含まれています。(※1)

・食物繊維(白米の約6倍)
・ビタミンB群(特にB1)
・鉄・マグネシウム・亜鉛などのミネラル
・抗酸化物質(γ-オリザノール、フェルラ酸など)

玄米は「完全栄養食」ともいわれるほど多様な栄養素を含んでいますが、調理や食べ方次第ではその効果を十分に引き出せないこともあります。

よく噛むことが玄米の第一歩

玄米を効果的に食べるうえで最も重要なのが「よく噛む」こと。
ぬか層が残っている玄米は白米より硬く、そのままでは消化しにくいため、しっかり咀嚼することが必須です。一口あたり30回以上噛むことで唾液中の酵素が活性化し、栄養の吸収が高まるとされています。(※2)

よく噛むことには他にも次のような効果があります。

・満腹感が高まり、食べすぎ防止につながる
・血糖値の急上昇を抑える
・胃腸への負担を軽減する

続けやすさ重視なら「白米と混ぜて炊く」

玄米を食べたいけれど「硬さが気になる」「家族が嫌がる」という場合には、白米と混ぜて炊く方法がおすすめです。

◯ メリット
・食感がマイルドになり、玄米が苦手な人も食べやすくなる
・玄米の栄養素を少しずつ摂取できる
・家庭用炊飯器の通常モードでも対応可能

◯ 基本的な炊き方(白米2:玄米1の割合の場合)
・米の合計:白米2合(300g)+玄米1合(150g)
・浸水時間:30分〜1時間ほど(時間があれば玄米だけ先に水に浸す)
・浸水後の水加減(目安):合計 630ml
 - 白米1合に必要な水:約180ml
 - 玄米1合に必要な水:約270ml(通常より多め)
 ※浸水の時間が短い場合や、お好みで柔らかめにしたい場合は、+10〜30ml程度の水を追加しても良いでしょう。
 ※これは、浸水後にザルなどで水を切ったうえで炊飯器に入れる“炊飯用の水量”です。
・炊飯モード:通常の白米モードで可。玄米モードがあればなお良い。

この方法なら、白米のやわらかさと玄米の栄養を両立でき、家族の食卓にも自然になじみます。

食べ合わせで栄養の吸収効率を高める

玄米の栄養を生かすためには、どんな食材と一緒に食べるかも大切なポイントです。特に鉄や亜鉛などのミネラルは吸収率が低いため、吸収を助ける栄養素を意識して取り入れましょう。

ビタミンCを含む野菜や果物:
例)ブロッコリー、ピーマン、柑橘類
期待できる効果)鉄の吸収促進

発酵食品:
例)味噌、納豆、ぬか漬け
期待できる効果)消化サポート、腸内環境の改善

たんぱく質:
例)魚、卵、大豆製品
期待できる効果)体内での栄養利用効率が向上

つまり、玄米を主食にしてバランスの取れた副菜を組み合わせることで、健康効果をより高めることができます。

消化が気になる場合は量と調理法を調整

玄米は不溶性食物繊維が豊富なため、人によっては胃腸に負担を感じることもあります。そうした場合は、以下の工夫を取り入れてみてください。

・白米との混合比率を増やす(例:白米3:玄米1)
・おかゆや雑炊にする:柔らかくなり、消化がしやすくなる
・一度に多く食べすぎない:最初は少量からスタート

無理なく継続することが、玄米の効果を長く活かすコツです。

おわりに:小さな工夫が、玄米生活を続けるカギ

玄米を最大限に活かすには、特別な知識や道具は必要ありません。よく噛む・白米と混ぜる・バランスの良い食事と組み合わせるといった小さな工夫の積み重ねが、健康的な食習慣につながります。

「玄米は体にいいけれど続けられない」と感じていた方も、ぜひ一度“混ぜて炊く”ところから玄米生活を始めてみてください。

当店の商品で、玄米でも比較的食べやすいラインナップもご紹介します。
さらに手軽に始めたい方は、パックごはんの選択肢もあります。


参考文献・出典
※1:農林水産省「主食の多様化と玄米の栄養価」
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/balance/attach/pdf/zenmai-1.pdf

※2:農林水産省「噛むことの効用と咀嚼の科学」
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/featured/chewing/

農研機構 食品研究部門「家庭用炊飯器における玄米の炊飯条件と物性評価」
https://www.naro.go.jp/project/results/laboratory/nfri/2019/nfri19_s05.html


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