自然栽培米・有機栽培米専門店 Natural Farming

2026/01/22 17:39

日本お米ばなし vol.73「五ツ星お米マイスターが教える正しいお米の研ぎ方は?」

「お米の研ぎ方って、正直よく分からない」
「子どもの頃に教わったやり方のままだけど、本当に合っているの?」

日々お米に向き合っていると、こうした声を本当によく耳にします。
炊飯において“研ぎ”は最初の工程でありながら、最も誤解されやすい工程でもあります。

今回は「五ツ星お米マイスターが教える正しいお米の研ぎ方は?」という問いに対し、なぜ研ぐのか/研ぎすぎるとどうなるのか/今の時代に合った研ぎ方とは何かを、できるだけ分かりやすくお話しします。

そもそも、お米はなぜ研ぐのか?

かつてのお米は、精米技術が今ほど高くありませんでした。
精米後のお米には「ぬか」が多く残り、これが臭いや雑味の原因になるため、しっかり研ぐことが必要でした。

しかし現在、日本で流通しているお米のほとんどは高精度の精米機で仕上げられています。
つまり、
・ぬかは最小限しか残っていない
・強く研ぐ必要は、実はほとんどない
というのが現代のお米事情です。

では、なぜ「研ぐ」という工程が残っているのでしょうか。
それは、お米の表面についた微細なぬか・ほこり・保管中に付着したにおい成分を軽く落とすため。
目的は「削る」ことではなく、「洗い流す」ことなのです。

やってはいけない研ぎ方、やってしまいがちな誤解

まず、よくある間違いから整理しましょう。

① ゴシゴシ力を入れて研ぐ
これは最も多い誤解です。
お米は水を含むと非常にデリケートになります。

力を入れて研ぐと、
・表面が傷つく
・でんぷんが流出する
・炊き上がりがベタつく
といった弊害が起こります。

② 何度も何度も水を替えて研ぐ
「水が完全に透明になるまで」という指導を受けた方も多いと思います。
しかし現在のお米では、そこまで行う必要はありません。
研ぎすぎは、うま味まで流してしまいます。

③ 最初から水につけっぱなし
最初の水は、お米が最も吸水しやすいタイミングです。
この時にぬか臭のある水を吸わせてしまうと、においが残りやすくなります。

五ツ星お米マイスターが考える「正しい研ぎ方」の基本

当店が推奨している研ぎ方は、とてもシンプルです。

ポイントは3つだけ
・最初の水は素早く捨てる
・研ぐというより、やさしく混ぜる
・短時間で終わらせる

以下、具体的な手順です。

基本の研ぎ方(炊飯器)

① ボウルにお米を入れる
まずは乾いた状態のお米を入れます。
お米はキッチンスケールで正確に計量しましょう。

② 最初の水を入れたら、すぐ捨てる
水を注いだら、1〜2回軽く回す程度ですぐに水を切ります。
ここが最重要ポイントです。
最初の水を吸わせないことで、余計なにおいを防ぎます。

③ お米を優しく揉むように握って離すを繰り返す
「研ぐ」というより「洗う」イメージです。
20〜30回ほど、やさしく洗います。

④ 水を加えて、白く濁った水を捨てる
この工程を3回繰り返します。
完全に透明にする必要はありません。

⑤ 炊飯用の水を加え、浸水する
お米1合あたり、水は190gを目安に計量を行い、お米の入ったボウルに注ぎます。
夏は45分、冬は60分を目安に冷蔵庫内で浸水します。
その後、炊飯に進みます。

土鍋の場合の研ぎ方は違うのか?

結論から言うと、研ぎ方そのものは同じです。
最後に加える「炊飯用の水」が、炊飯器で炊くよりちょっぴり多めの200〜220gが目安となります。
お好みの硬さになるよう調整してみてください。

土鍋は炊飯器に比べて、
・火力が強い
・対流が大きい
・表面のデンプン影響が出やすい
という特徴があります。
ふっくら美味しく炊けるので、土鍋炊飯もおすすめです。

土鍋炊飯については、こちらの記事で詳しく解説しています。

無洗米の場合はどうすればいい?

無洗米は「研がなくてよい」お米ですが、
当店では軽くすすぐことをおすすめしています。

理由は、
・輸送・保管中の微細な粉を落とす
・においをリセットする
ためです。

ただし、研ぐ必要はありません。
水を入れて軽く混ぜ、1回水を替える程度で十分です。

研ぎ方を変えるだけで、ごはんは変わる

「お米を変えていないのに、急においしくなった」
これは、研ぎ方を見直したお客様からよく聞く言葉です。

お米の品種や産地ももちろん大切ですが、毎日の扱い方こそが、味を大きく左右します。

・研ぎすぎない
・急がない
・丁寧に扱う
それだけで、ごはんはきちんと応えてくれます。

おわりに

外食や中食の選択肢が増え、必ずしも自宅でお米を炊かなくても食事が成り立つ時代になりました。
その一方で、「お米の炊き方がよく分からない」「浸水という工程を知らなかった」という声を耳にする機会も、決して少なくありません。

けれど、お米は少し扱い方を知るだけで、驚くほど味が変わる食材です。
研ぎ方、浸水、水加減、どれも特別な技術は必要なく、今日から見直せることばかりです。

今一度、基本に立ち返り、正しいお米の炊き方を知ること。
それは、毎日のごはんを「ただの食事」から「楽しみな時間」へと変えてくれるはずです。
ごはんを炊くひとときが、暮らしを整える小さな習慣になりますように。

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